屋根の材料は、雨漏りの原因特定や修理方法に直接影響を与えます。それぞれの材料の特性と、それに応じた修理のポイントを詳しく見ていきます。
スレート屋根の劣化と修理の判断基準
スレート屋根は軽量で施工しやすい反面、経年劣化で表面の塗装が剥がれると防水性能が低下しやすいという弱点があります。この防水性の低下が、ひび割れなどの直接的な原因となるため、修理の判断が重要です。
部分的な補修
軽微なひび割れやズレは、割れた部分の差し替えやコーキングで対応できます。
全体的な工事
塗装の剥がれが広範囲に及ぶ場合、防水機能全体が低下している兆候です。部分補修では不十分なため、再塗装やカバー工法、葺き替えなどの全体工事を検討する必要があります。
瓦屋根の修理と下地の関係
瓦屋根は瓦自体が非常に丈夫なため、瓦本体が原因で雨漏りすることは稀です。多くの場合、雨漏りの原因は瓦の下にある部分にあります。
漆喰の劣化
瓦の隙間を埋める漆喰が剥がれると、棟の土台が崩れてしまいます。これは塗り直しで対応可能です。
防水シートの寿命
瓦の下に敷かれた防水シートの寿命が原因の場合、瓦をすべて撤去し、防水シートを張り替える大掛かりな工事が必要となります。
瓦のズレ・破損
瓦のズレや破損が原因の場合は、その部分の瓦を交換するだけで修理が可能です。
金属屋根の注意点と修理の選択肢
金属屋根(ガルバリウム鋼板など)は、軽量で錆びにくいのが特徴ですが、経年劣化による雨漏りも発生します。とくに注意すべきは、サビです。
サビによる腐食
ビスの周辺など、サビが発生しやすい部分から腐食が進み、穴が開いてしまうことがあります。軽微な穴なら補修できますが、広範囲に及ぶサビの場合は、部分的な修理では対応できず、屋根全体の張り替えやカバー工法が必要になります。とくに沿岸部では塩害によるサビの進行が早まるため、より注意が必要です。